ピックルボールは、テニス、バドミントン、卓球の要素を組み合わせた、アメリカ発祥のラケットスポーツです。専用のパドル(ラケット)と、穴の開いたプラスチック製のボールを使用します。バドミントンコートと同じくらいの大きさのコートと、テニスよりも低いネットで行われます。

使用するボールが弾みにくく、コートも小さいため、激しい運動が苦手な方や初心者の方でもすぐにラリーが楽しめます。主にダブルス(2対2)で行われ、老若男女、運動経験を問わず、誰もが一緒にプレイできるファミリースポーツとして世界的に人気が急上昇しています。


歴史

ピックルボールは、1965年にアメリカ・ワシントン州のベインブリッジ島で、3人の父親が子どもたちを楽しませるために考案したのが始まりです。当初は、バドミントンコートに卓球のラケットとプラスチックボールを持ち寄り、ルールを考案しながらプレイされました。

スポーツの名前の由来には諸説ありますが、考案者の一人が飼っていた犬「ピックルズ」の名前から取られたという説や、ボート競技で敗者のクルーを指す「ピックル・ボート」のように、既存のスポーツの道具を寄せ集めたことから名付けられたという説が有力です。その後、北米で爆発的に広がり、現在では世界中に愛好家を持つグローバルなニュースポーツへと発展しました。


コラム

ピックルボールの最大の特徴は、独自のルールによってプレイの難易度と運動負荷が適切に調整されている点です。「ツーバウンド・ルール」や「キッチン(ノン・ボレー・ゾーン)でのボレー禁止」といったルールがあることで、ネット際での激しい打ち合いを防ぎ、戦略的なプレイが求められます。

これにより、コート後方での安定したラリーが生まれやすく、初心者でも長時間のラリーを楽しむことが可能です。高齢者の健康維持や、家族・友人との交流を深めるコミュニティスポーツとして最適であり、生涯を通じて楽しめるスポーツとしてその地位を確立しています。集中力と協調性も養えるため、脳と体の活性化にも役立ちます。


基本ルール

  • 得点: サーブ権を持つペア(またはプレイヤー)がラリーに勝った時だけ得点が入ります。
  • サーブ: ボールをワンバウンドさせず、**アンダーハンド(下からすくい上げる)**で打ちます。対角線上のサービスコートに入らなければなりません。
  • ツーバウンド・ルール: サーブ後のリターン、およびその次の返球(3打目)は、必ずワンバウンドさせてから打たなければなりません。これにより、激しいボレー合戦がすぐに始まるのを防ぎます。
  • キッチンのルール(ノン・ボレー・ゾーン): ネットから約2.13mのエリア(キッチン)の中に足を踏み入れた状態で、ボールを**ノーバウンド(ボレー)**で打つことは禁止されています。

競技の流れ

  1. 準備: 主にダブルスで行います。コート、ネット、パドル、ボールを準備します。
  2. サーブ開始: 決められた位置から、アンダーハンドで対角線にサーブを打ちます。
  3. ツーバウンドのクリア: サーブ側とレシーブ側の両方が、返球されたボールを一度地面にバウンドさせてから打ちます(ツーバウンド・ルール)。
  4. ラリー: ツーバウンド・ルールがクリアされた後は、ボレー(ノーバウンド)もバウンドも自由です。キッチン内でのボレーに注意しながらラリーを続けます。
  5. 得点/サイドアウト: サーブ権を持つペアがラリーに勝てば1点獲得。サーブ権を持たないペアがラリーに勝てば、得点は入らず、サーブ権が相手ペアに移ります(サイドアウト)。
  6. 試合終了: 通常は11点先取し、かつ2点差をつけたペアが勝利となります。